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化学物質管理者の選任義務化はいつから?資格要件は?役割についても解説

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化学物質管理者の選任義務化に関する法令等がいつから施行されたかご存知でしょうか。また、それにあたってどのような資格要件があるのか、どのような役割を果たす必要があるのか改めて確認したいという方も多いと思います。
この記事では、化学物質管理者について分かりやすくまとめ、後半では化学物質のリスクアセスメントを行う際に活躍する測定器のレンタル・販売についてもご紹介します。

こちらの記事は、2024年4月時点での法令等をもとにして作成しております。

化学物質管理者の選任義務化はいつから?

化学物質管理者の選任義務化の時期はいつからなのか?という質問に対する端的な答えは、「2024(令和6)年4月1日から」となります。
2022(令和4)年5月31日に労働安全衛生規則 (https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=347M50002000032) の更新が公布されたことで、事業所で取り扱われる化学物質について、その性質による私たちへの影響を適切に明示・管理し、過度に摂取することのないように対策を行うことが求められるようになりました。
そこで、対象物質の生産や取り扱いを行う事業所内では「化学物質管理者」「保護具着用管理責任者」という担当者を一人は(必要に応じて複数でも可能)選任することが義務化されました。
この対象物質は、今後段階的に追加されることが公表されています。

化学物質管理者って?

事業所内での化学物質の管理を行う担当者です。詳しい業務内容については後述します。

保護具着用管理責任者って?

化学物質から従業員を守るための保護具の着用の要不要を見極めたり、有効なものを選んだり正しい管理を行ったりする担当者です。

参照元: 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所(https://cheminfo.johas.go.jp/how.html)

化学物質管理者の選任義務化の背景にある法改正について

厚生労働省によると化学物質管理者の選任義務化にまつわる背景事情には、労働安全衛生法によってすでに取り扱いが規制されている物質はあるものの、それ以外の物質による被害が相次いでいるということがあります。今後はそれらの個別に規制されていない物質に関しても、取り扱う者が適切に管理を行い安全を守っていく必要があるということで、今回の法改正が行われたということです。
参照元: 厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000987253.pdf)

先述の法令が公布されてすぐの2022(令和4)年6月に施行されている項目と、2023(令和5)年4月1日に施行された項目、そして2024(令和6)年4月1日に施行された項目があります。
最初に施行となっているのは、情報伝達方法が書面だけではなくWEBページのアドレスや二次元コードによるものでも認められるようになったという内容です。
次に施行されたのは、対象となる物質の摂取を極力少なくする取り組みや、管理の仕組みや記録の保存の強化、安全衛生教育が必要となる業種の増加などがあります。
そして2024年4月からは、表示や情報を知らせることが義務となる物質の追加、化学物質管理者・保護具着用管理責任者の選任義務化、濃度基準値に則った対策などの内容が施行されました。

通知義務のある物質は、厚生労働省の職場のあんぜんサイトにて一覧を見ることができるほか、名称で検索して該当するかどうかを確認することができます。
参照元: 厚生労働省 職場のあんぜんサイト(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/gmsds640.html)

化学物質管理者の資格要件は?講習は必須?

厚生労働省の資料によると、化学物質管理者になるにあたっての資格要件について、国家資格のように試験に合格する必要があるようなものではないとされています。
リスクアセスメント対象物の生産を行う事業所では化学物質管理者の専門的講習を修了することが資格要件となりますが、それ以外の事業所では受講した者が望ましいものの必ず必要な資格要件はありません。
参照元: 独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所(https://cheminfo.johas.go.jp/how.html)

また、必要となる講習の内容や所要時間は、対象物質製造事業者とそうでない場合とで異なりますが、化学物質の特質の明記やリサーチ、必要な記録や被害があった時の対応方法といった内容が含まれています。
参照元: 厚生労働省 化学物質管理者講習テキスト(https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001083281.pdf)

化学物質管理者の役割であるリスクアセスメントについて

それでは、化学物質管理者が担わなくてはならない役割それぞれの概要と、化学物質管理者が行うリスクアセスメントについてご紹介していきます。
そもそもリスクアセスメントって?ということや、一般的な手順については下記の記事で分かりやすくご説明していますので、ぜひ併せてご覧ください。

化学物質管理者の役割は?

化学物質管理者の役割は、労働安全衛生規則第十二条の五によって下記のようなものが決められています。国の講習テキストによると、化学物質管理者の役割は自社の製品を提供する相手先への情報提供に関するものと、自社の従業員を守るためのものに大別されます。

ラベル表示及び安全データシート(SDS)交付に関すること

SDSはSafety Data Sheetのことで、リスクアセスメント対象物質が含まれる物品をラベル表示することと、SDSを発行することが不可欠となります。化学物質管理者の役割としてはこの作業を取りまとめることであり、実際に行うのは知識経験が豊富な別の従業員という場合や、外部委託となる場合でも問題ないようです。

リスクアセスメントの実施に関すること

化学物質管理者は、リスクアセスメントを推し進めることや実施の統括を行います。取り扱う物質についてリスクアセスメントの要否を確認し、現場の確認からリスクアセスメント手段の選定、リスク評価、そして結果の周知を行うという一連の流れを受け持ちます。

リスクアセスメント結果に基づくばく露防止措置の内容及び実施に関すること

リスクアセスメントの結果を踏まえて、化学物質の摂取をどのように避けるのかといった対応を考え、それを実施することも役割となります。

リスクアセスメント対象物を原因とする労働災害が発生した場合の対応

対象物質に起因する被害が起こった際の対応計画をあらかじめ策定しておくのも化学物質管理者の役割の一つとなります。社内担当者を決め、分担を明らかにしたうえでシミュレーションを行っておくことが重要です。

リスクアセスメントの結果等の記録の作成及び保存並びに労働者への周知に関すること

ここまでの情報を正しく記録し、十分に管理する必要があるほか、従業員への共有も行うことが求められます。

リスクアセスメントの結果に基づくばく露防止措置が適切に施されていることの確認、労働者のばく露状況、労働者の作業の記録、ばく露防止措置に関する労働者の意見聴取に関する記録・保存並びに労働者への周知に関すること

一定周期でリスクアセスメントの内容を資料に残し、それを定められた期間保存します。

労働者への周知、教育に関すること

事業所内でのリスクアセスメントの実施に際して、適切な研修を従業員に対して行うための計画やその効果の確認を管理する必要があります。

化学物質管理者が行うリスクアセスメントに役立つ計測器

ここからは、化学物質管理者の方がリスクアセスメントを行う際にご活用いただける測定器をご紹介します。

ポータブルマルチガスモニター GX-6000

1台でリスクアセスメント対象物質200種類以上を測定可能です。物質の検知以外にも、安全管理に役立つ機能が複数搭載されている機種です。

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測定対象ガス
可燃性ガス、硫化水素、揮発性有機化合物、酸素、一酸化炭素の5種類を一度に測定できるため、効率的な管理が可能になります。
必要なタイミングだけ使用したり、本格的に導入する前に試験的に使用したり、といったようにレンタルを活用いただくのがおすすめです。

個人ばく露濃度計 XV-389

VOCが生じるさまざまな場所でご活用いただける測定器です。小型軽量・低価格ながら17種類のガス濃度を検知することができ、作業する人それぞれが装着して安全を確認するのに適しています。
また、化学物質の個人ばく露測定のガイドライン(日本産業衛生学会制定)を満たして測定することができます。
参照元: 日本産業衛生学会産業衛生技術部会 化学物質の個人ばく露測定のガイドライン(https://www.sanei.or.jp/files/topics/recommendation/J57_2_09_guideline.pdf)

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検知対象ガス
毎回使用する際に検知する物質を選んで設定することができるため、物質によって何台も用意する必要がないのがおすすめポイントです。 印刷や塗料、石油や化学薬品などさまざまな現場で人気の機種です。

ご紹介した2機種以外にも、当社では化学物質管理にご使用いただける測定器をレンタル・販売にて取り扱っております。機種選定のご相談にもご対応させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

化学物質管理者の選任義務化はいつから?資格要件は?役割についても解説 まとめ

この記事では、化学物質管理者の選任義務化はいつからされたのかということやその資格要件、役割についてご説明してきました。
化学物質の安全管理を強化するために任命される化学物質管理者は、安全データシートの交付から化学物質のリスクアセスメントの実施、摂取防止対策の実施、教育の計画・実施に至るまで、広範囲の業務を行う必要があります。これにより、化学物質による影響を最小限に抑え、安全な作業環境を保つことにつながるというのが、今回の改正の狙いであると言えそうです。

化学物質の管理については今後も情報の更新がされていくというアナウンスが出ていることからも、詳しい内容をお調べになる場合は、この記事でも参照元としてご紹介している公的な機関の資料やWEBサイトをご覧いただき、最新情報をご確認いただくことをおすすめいたします。