蛍光エックス線分析計 DELTA / VANTA 徹底活用術!
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最近では一般的になってきた、蛍光エックス線を使ったポータブル型の成分分析計。
レンタルで使ってみたい!というお問い合わせも年々増加しており、導入する企業も増加しています。一方で、エックス線ということもあり、「なんとなく危なそう…。」「色々種類があって選定が難しい」などの不安をお持ちの方も多くいらっしゃいます。
そのような不安を解消するべく蛍光エックス線について、下記のポイントを詳しく解説していきます!
- 蛍光エックス線分析計でできること、使用するメリット
- 機器選定のポイント
これを読んで、是非ご活用くださいね。
最後には、無料でダウンロードできる「蛍光エックス線分析計 DELTA / VANTA 機器選定資料」もご用意しております。
蛍光エックス線分析計DELTA/VANTAでできること
蛍光エックス線分析計 DELTA / VANTA で何ができるか簡単に特長をまとめてみました。
- 持ち運びが可能で、現場で成分分析ができます。
- 材料の判定・合金の識別 が可能です。
- PMI(合金金属分析)検査 に適しています。
- 貴金属(金・プラチナ)の識別が可能です。
- 土や瓦礫、コンクリート構造物など金属以外にも使用できます。
- RoHS規制物質の検査が可能です。
※ご使用の際には、適切なメソッド(タイプ)をご選択ください。
蛍光エックス線分析計DELTA/VANTAを使用するメリット
測定は対象物に機器を当てるだけと、非常に簡単です。 非破壊で測定が可能な上に、初めての方でも問題なくお使いいただけます。 真空引きなどの事前作業も必要ありません!
特にレンタルでは、初めてご使用されるお客様も非常に多くいらっしゃいます。
測定原理にはエックス線を用いていますが、特に作業主任者などを置く必要はなく、 届出や資格などがなくても計測いただけます!
ただし、人に直接向けた状態でエックス線を照射するのは危険なため、おやめください。
最速で、合金の鋼材判定まで約2秒で完了するほど、計測はとてもスピーディーです。材料の切り出しが不要なのはもちろん、測定の事前準備なども不要で、スピード計測が可能です。工数の大幅削減にもつながります!
例えばAlloyタイプであれば、鋼材種類まで自動判定してくれるなど、 RoHSタイプであれば、基準に適合しているかの判定までしてくれます!
ご使用の際には適切なメソッド(タイプ)をお選びください。
蛍光エックス線分析計DELTA/VANTAの気になる選定のポイント
選定の際には、あらかじめ機器に搭載されているメソッド(タイプ)を正しく選択することが重要です。
色々な種類があって難しそう…と思われがちですが、ポイントさえ抑えておけば誰でも簡単に選定が可能です。 判断が難しい場合は、コンシェルジュにお気軽にお問い合わせください。
①まずは測定対象物を確認してください。
※選択するタイプ(メソッド)によって、測定可能な対象物が異なります。
「Alloy」タイプをお選びください。
「Alloy PreciousMetal」タイプをお選びください。
「Soil」タイプをお選びください。
「がれき」や「ごみ」などを計測したい → 「GeoChem」をお選びください。
RoHS規制にのっとった計測がしたい → 「RoHS」をお選びください。
②メソッド(タイプ)を選んだら、今回計測したい元素が、そのタイプに該当しているかを元素表から確認してください。
※青文字が測定可能な元素です
※RoHSは測定対象を金属か樹脂か自動判定します
測定対象や元素が明確でない、
この条件で計測できるかが不安などありましたら、まずはコンシェルジュにご相談ください!
蛍光エックス線分析計には、メソッド(タイプ)だけでなく、
機種自体にもランクがあり、精度などに若干の違いがあります。
レックスでご用意しているタイプはこちら!
Premium | Professional | Standard | Classic | |||
---|---|---|---|---|---|---|
カメラコリメーター | 有 | 無 | 有 | 無 | 無 | 無 |
AlloyPlus | ○ | ○ | ○ | × | ○ | × |
AlloyPlus(PreciousMetal) | × | ○ | × | × | × | × |
AlloyPlus(Mining) | × | ○ | × | × | × | × |
Soil | × | ○ | ○ | × | × | × |
Geochem | × | × | × | ○ | × | × |
RoHS | × | ○ | × | × | × | ○ |
最近レックスでも増加しているお問い合わせ、実際に測定された事例をご紹介します!
既に工場内に納品された設備や材料の鋼材判別が必要な場合、従来方法では対応が困難です。ポータブルな本機器を使えば、スピーディーかつ正確に鋼材の判別が可能です。
使用したメソッド:Alloy
橋梁や構造物などの劣化診断のニーズは年々高まっています。
その中でも、強度に大きく関わる重大な項目である一方、計測の難しかった 塩害(CL)の調査についても、この機器を使えばすぐに測定が可能です。
使用したメソッド:Soil
発掘された遺跡の年代調査などは、これまで破壊検査が行われていました。
本機器を使用すれば、貴重な文化財を破壊せず、正確な測定が可能です。
使用したメソッド:GeoChem
ごみ処理業者の方からの依頼で、金属スクラップの成分分析を行いました。
表面には塗膜がありそのままだと計測できなかったため、対象を割っていただき断面部分で計測を行いました。
使用したメソッド: Alloy
こんな場合はどうすればいい?他にも事例はありますか?など、
ご質問がありましたらお気軽にコンシェルジュまでご相談ください。
蛍光エックス線分析装置に関するよくある質問
計測原理的に、炭素(C)をはじめとした、
マグネシウム(Mg)より軽い元素については計測ができません。
軽元素の測定をご希望の場合は、以下の機器をご検討ください。 (測定条件等のご確認をお願いします)
カメラ:測定する場所に
狙いを定めるためのオプション機能となります。
コリメーター:照射するエックス線に絞りを入れるためのオプション機能です。
標準で照射系が約9mmのところ、3mmまで絞りを入れることで、
小さな対象物の測定が容易になります。
測定できるものに大きな違いはありませんが、
Premiumはより精度が高く、Classicは汎用品といった扱いになります。
Standardはその中間の性能を有しており、Proffesionalとは同等品です。
基本的には、測定対象物や元素に合わせて、機種ではなくメソッド(タイプ)でお選びいただくことをお勧めしています
RoHSとは、特定有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令のことです。
EU加盟国に対して輸出を行う場合は、この指令に則り、特定の有害物質が許容濃度以下である必要があります。
成分の分析だけではなく、規制に対する判定までを行うことができます。
正確な測定には、測定対象物に合わせ、メソッド(タイプ)を正しくお選びいただくことが重要です。
対象物の特性に合わせて、設定等があらかじめ行われているためです。
VANTAはDELTAとなり、メソッド(タイプ)が同じであれば、基本的に違いはありません。
レックスでのVANTAのお取り扱いは、2018年4月時点で、
ハンドヘルド蛍光X線分析計 VANTA Cシリーズ VCR-CCC-A3-J(メソッド:AlloyPlus Standard(Proffesional)相当)のみとなります。
いかがでしたでしょうか?
選定方法について不安を解消するべく、蛍光エックス線分析計でできることから機種選定のポイント、よくある質問などたくさんご紹介させていただきました。
人に向けてエックス線を照射するなど危険な操作をしなければ、安全かつ簡単に計測することができます。
測定対象や元素が明確でない、この条件で計測できるかが不安など、お客様のご使用環境に合わせてご選定させていただきますので、まずはコンシェルジュにご相談ください!
また、今回ご紹介した内容をおまとめした資料をダウンロードいただけます。
簡単な必要事項を記入の上、ダウンロードボタンを押していただくだけ!
提案資料や参考に是非ご活用くださいませ。