改正ずい道ガイドラインでの粉塵測定のポイントとは?
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「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」が2021年に改正されました。このページでは、そのずい道ガイドラインにおける粉塵対策や粉塵測定についてわかりやすく解説していきます。
改正ずい道ガイドラインの内容とその変更点を解説
「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」が2021年改正されました。
「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」が2021年4月に改正されました。
このガイドラインは、ずい道における作業環境をよりよいものとするために定められたものです。
ガイドラインは、事業者が実施しなければいけない事項や、関連する法令の規定の中でも重要なものを一体的に示したものです。今回改正省令などの規定に合わせて内容が見直されました。
「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」の主な変更ポイント
粉塵の測定や対策に関する部分での、主要なポイントとして、
- 「粉じん目標濃度レベル」の引き下げ(目標の強化)
- 「粉じん濃度等の測定結果等の周知」の充実
- 切羽に近接する場所での「空気中の粉じん濃度等の測定」
などが新たに定められています。
そのほかの変更ポイントや詳細は、厚生労働省のホームページからも確認することができます。
「厚生労働省 報道発表資料「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」を改正しました
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_12521.html)
ここからは、強化された「粉じん目標濃度レベル」や、切羽隣接箇所での粉塵測定について詳しく解説していきます。
改正ずい道ガイドラインにおける粉塵測定を解説
改正ずい道ガイドラインでの粉塵測定の基準値って?
今回の「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」改正により
粉塵計にて測定される粉塵の値の目標レベルは以下に設定されました。
粉塵濃度が目標レベルを超えた場合、以下に示す対策を行う必要があります。
測定した粉塵濃度が基準値(目標レベル)を超えた場合、
設備、作業工程または作業方法の点検を行なった上で、換気装置の風量の増加は換気方法の変更、粉じん抑制剤を使用するといった、作業環境向上のための必要な措置を講じる必要があります。
また対策後には、再度粉塵濃度の測定が必要です。
改正ずい道ガイドラインでの詳細な粉塵測定手順をご紹介
ここでは、「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」に基づいた
トンネル切羽付近での粉塵測定、中でも手軽に測定可能な「分粒装置を用いる相対濃度指示方法」について
詳しく説明していきます。
実際に測定を行う際の参考にしてみてください。
切羽から概ね10m、30m、50mの地点の両側壁面に計6台の粉塵計を設置します。
設置する高さ(採取口の位置)は、50cm以上150cm以下とし、すべての粉じん計が概ね同じ高さになるように設置します。
一連のずい道工事作業に従事する全期間が測定対象となります。
- レスピラブル粉じんを適切に分粒できる分粒装置を装着した粉塵計を使用する必要があります。
- 光散乱式粉塵計など、相対濃度指示方式の測定器を使用する場合、測定値は質量濃度換算係数(K値)を用いて質量濃度に換算する必要があります。
- 質量濃度返還係数(K値)については、ろ過捕集方法で捕集した粉塵を重量分析方法にて分析する、並行測定を行うことで得られた値を使用する必要があります。
- 1年以内に定期校正を受けたものを使用します。
※質量濃度返還係数(K値)が安定してる場合は、毎回並行測定を行う必要はありません。
※校正していない粉塵計で測定を行った場合、その結果は無効となります。
この「使用する計測器」とは、具体的にはどういったものでしょうか?
ここからは、改正ずい道ガイドラインに準拠した粉塵計について詳しく説明していきます。
改正ずい道ガイドラインに準拠した粉塵計って?
上記の条件を満たしていれば、基本的にはどの粉塵計を使用しても問題はありませんが、
K値の並行測定を行うためには、手間も時間もかかり、専門知識も必要です。
一方、厚生労働省が指定する 粉塵計LD-5R という機器を使用すれば、
「厚生労働省労働基準局長が示す数値」として以下の質量濃度変換係数をそのまま使用することができ
K値測定の手間もコストも省くことができます。
※ガイドラインに準拠した測定を行う場合は、必ずオプション品のPM4分粒装置も合わせてご使用ください。
※こちらの計測器を使用した場合のK値は 0.002 となります。
レンタルなら、必要な時に必要な期間だけご利用が可能です。届いた計測器は点検・校正済みで、その日から直ぐに使用いただけます。
改正ずい道ガイドラインに基づく粉塵濃度測定のポイントまとめ
改正ずい道ガイドラインに基づく粉塵濃度測定について、解説を行ってきました。
今回の改正における粉塵濃度測定について、押さえておくべきポイントとしては以下となります。
-
2021年4月 「ずい道等建設工事における粉じん対策に関するガイドライン」 が改正されました。
- 粉塵値の目標レベルは 2mg/m3 を目指すこと と定められています。
- 切羽付近では、10m、30m、50mの地点の両側壁面に計6台の粉塵計を設置して測定を行う必要があります。
- 使用する計測器は、適切な分粒装置を装着したもの、かつ1年以内ごとに正しい校正を受けている必要があります。
- 粉塵計LD-5Rを使用すれば、並行測定にてK値を求める必要がなく、そのまま測定が可能です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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