サーモグラフィーカメラが体温計として使えない理由と違いは?
作成日: 更新日:
サーモグラフィーカメラが体温計として使えない理由をその違い、また活用方法についてもこの記事では説明していきます。
店先や企業の受付などでサーモグラフィーカメラが体温確認のために設置されている場面をよく見かけるようになりました。サーモグラフィーカメラは、温度を色で表示してくれるため、視覚的でとても分かりやすいため人気を博しているようです。
ですが実はサーモグラフィーカメラは厳密には体温計として使用することができないということをご存知でしたか?このページでは、サーモグラフィーカメラが体温計として使えない理由やその活用方法について説明していきます。
サーモグラフィーカメラは実は体温計としては使えません!
サーモグラフィーカメラは正式に体温計として使うことはできません。その理由を体温計の定義にそってご説明していきます。
まず、体温計は法律でも規定が色々と定められています。
定義:患者の体温を測定するための測定装置をいう。本品は、表示ユニットとセンサ及びその他からなり、体温を検出し、ある電気特性(抵抗、電圧等)に変換するものである。このような電気特性は、電子回路内で処理した後、最高温度保持し、体温値としてデジタル表示される。
引用元:独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 - 基準:<認>別表3 No32:電子体温計基準(告示第112号:平成17年3月25日)
https://www.std.pmda.go.jp/scripts/stdDB/JMDN/stdDB_jmdn_resr.cgi?Sig=1&Select=1&jmdn_no=252&kjn_no=10032
体温計の精度や、温度をはかることで起こる影響によってレベル分けがされており、必要に応じて届出や認証・承認等が必要になっています。また、販売にも許可が必要になっています。
(しかし、パッケージに記載が必須になっているわけでは無いので、本当に承認を得ている体温計なのかどうかは購入時に消費者自身が調べる必要があります。)
サーモグラフィーカメラがどれだけ正確に温度をはかれたとしても、体温計としては厳密には使うことができません。
サーモグラフィーカメラと体温計の具体的な違いについてはこの下の章でご説明していきます。
サーモグラフィーカメラと体温計の具体的な違い
サーモグラフィーカメラが体温計とは異なるということを、ここまでで説明しましたが、
具体的な違いについて、温度を測る仕組みを交えてもう少し詳しく解説していきます。
サーモグラフィーカメラはセンサーで遠赤外線の量を測って体表面の温度を計測しています。
遠赤外線は温度が高くなれば強くなるため、体表面の温度を遠赤外線の量によって測ることができます。
対して、体温計についてです。体温計には実測式・予測式の2種類の測り方があります。
実測式は、測定する部分の熱を測っており、体温計の温度が上昇しなくなったら計測終了です。正確な温度を測ることができますが、測定に少し時間を要します。昔ながらの水銀の温度計などにあたります。
予測式は、測定する部分の温度の変化の仕方を分析し、計算をして予測する方法です。実測式に比べ短時間で計測することが可能ですが、あくまで予想の体温ということに留意しておく必要があります。電子体温計や、非接触型の体温計は予測式を採用しています。
温度計は正確に体温の熱の上昇を測ったり、熱の上がり方を計算して予測して「温度」を測っているのに対して
サーモグラフィーカメラは遠赤外線の量を計測して表面温度を測っているところに違いがあります。
サーモグラフィーカメラの「体温計測が必要な場面」での活用方法とは?
冒頭にも述べた通り、サーモグラフィーは体温計に比べて非常に視覚的にもわかりやすく、非接触で簡単に温度の計測もできるため、会場への入退場時など、体温計測が必要な場面で使用したい場合も多いかと思います。
そういった場合には、サーモグラフィーカメラはあくまでも一次スクリーニングとして使用することをお勧めしています。
具体的には、入退場の場にサーモグラフィーカメラを設置すると、あらかじめ設定した「しきい値」を超える人を体温計測し、特定することができます。
特定した人に対して、体温計を使用して計測することで効率やわかりやすさと正確さの両立が可能になります。
サーモグラフィーカメラのおすすめ2機種をご紹介
サーモグラフィーカメラのサーモグラフィーカメラの「体温計測が必要な場面」での活用方法をご紹介します。
入退場などの場所でよく使用されている、サーモグラフィーカメラのおすすめ2機種は以下になります。
マスク有の状態での顔認証、体温測定でデータを管理
・サーモグラフィーカメラを搭載しているので、マスクを着けたままで、体温・マスク装着確認・AIによる顔認証が可能です。
・また人物登録をすることで、出勤・退勤の管理の流用もできます。
・規定値を超える体温を検知するとアラートでお知らせいたします。
非接触での体温計測&マスクの装着を確認
・わずか0.5秒の高速な時間で体温計測をすることが可能です。
・また、マスクの着用の確認も同時にすることができます。
・ログ機能もありデータを5万件まで保存することができます。
実際の導入前のテストや、イベントなど期限のある場所での使用には、
使いたい時にだけ使えるレンタルがおすすめです。
「サーモグラフィーカメラ」と「体温計」違いと活用方法まとめ
ここまでサーモグラフィーカメラと体温計の違いと活用方法についてご説明してきました。
それぞれの計測の仕方の違いを分かっていただけましたでしょうか?
詳しいサーモグラフィーの情報と活用方法について知りたい方にサーモグラフィについてまとめた資料をプレゼントしています。是非こちらもご活用ください。
掲載内容
■そもそもサーモグラフィとは
■サーモグラフィ活用方法
■サーモグラフィ3つの選定ポイント…など
以上が、サーモグラフィーカメラが体温計として使えない理由と違いでした。
温度計は正確に体温の熱の上昇を測ったり、熱の上がり方を計算して予測して「温度」を測っているのに対して
サーモグラフィーカメラは遠赤外線の量を計測して「表面温度」を測っているところに違いがあります。
どちらの温度計にもメリットがあるため、それぞれの違いをしっかりと理解し、状況・場面によって使い分けて行きましょう!