金属探知機とは?原理や反応しない金属についても分かりやすく解説
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金属探知機の原理や仕組みはご存知ですか?また反応しない金属や反応するものがどういったものかについても、意外と知らない方は多いのではないでしょうか。
金属探知機は様々な用途にも使われる身近でシンプルな計測器ですが、原理や仕組みを理解することで、状況に応じた選定などが可能になります。
この記事では、金属探知機の理解を深めるために、原理や仕組みから反応しない金属、反応するものは何かまで詳しく解説します。
金属探知機とは?
金属探知機とは、金属製の物体を探し出す装置の総称です。電磁波やX線などを利用して、対象物が金属であるかどうかや、そのおおよその位置を見極めることができるのが特長です。
まず、建築現場を例に挙げてみましょう。コンクリートの内部に入っている鉄筋や鋼製の配管、あるいは敷地内に埋もれた金属くずを検査する際に、金属探知機は大活躍します。これらを事前に把握しておくと、建設での掘削作業をスムーズに進められ、ときに大きな損害を未然に防ぐことにもなります。
また、近年ではセキュリティや防犯上の理由から、空港やイベント会場などでも金属探知機は重宝されています。人が通過するときに金属の持ち込みをチェックする「金属探知機のセキュリティ応用」や「金属探知機の空港での使用」などの事例は、その代表的な例といえるでしょう。
金属探知機の原理と金属検出の仕組み
金属探知機がどのようにして金属を感知するか、大きく分けて「電磁誘導方式」と「X線方式」の二種類があります。仕組みを分かりやすく、解説していきます。
金属探知機の多くで採用されているのが電磁誘導方式です。簡単に言えば、コイルによって生成した磁界に金属が近づくと、金属側にうず電流(渦電流)が流れ、それによって変化した磁界を検出する原理です。金属の種類や形状によって検知レベルが変わるため、機種ごとに感度などの設定が細かく調整されることが一般的です。
X線方式は電磁誘導方式とは異なり、X線を照射して金属を含む物体の透過度や吸収度を測定する方法です。空港の手荷物検査装置や大規模な公共施設のセキュリティチェックなどで幅広く活用されています。原理としては、X線源から発せられた放射線が荷物や対象物を通過し、その減衰率をセンサーで捉えることで、金属部品の有無や大きさを検知します。
金属探知機に反応しない金属について
金属探知機に反応しない金属、というものは存在するのでしょうか?
結論から言うと、種類によって反応しづらいものはあっても、全く反応しない金属というものはありません。
先ほどお伝えしたように、金属探知機の測定原理は電磁誘導です。
そのため、電気を通すことができる物体であれば検知することが可能です。
金属は、そもそも電気を通す(通しやすい)物体であることが定義の一つとされており、理論上すべての金属は金属探知機に反応することになります。
ただし、材質によって電気の通しやすさには違いがあり、反応にも違いが出るため注意が必要です。
金属探知機に反応するものや探知しやすいシチュエーションは?
逆に金属探知機で反応するもの、反応しやすい・探知しやすいシチュエーションなどはあるのでしょうか?
先ほど、金属探知機に検知できない金属は存在しない、ということをお伝えしました。
もちろん理論上はそうなのですが、例えば金属探知機から検知対象までの距離が遠い場合や、探知する対象物のサイズが極端に小さい場合のほか、周囲に干渉するほかの金属などが存在している場合などは、思ったような探知ができない可能性があります。
さらに、検知する金属の種類によって反応のしやすさに違いがあるため、検知可能距離などは変化します。
逆にいえばこれらを理解した上で、検知対象にある程度の大きさがあり、金属探知機を近づけることができる状況で、他に反応する対象物がない状況を作ることができれば、検知対象がどのような金属であっても十分に金属探知機の性能を発揮することができるでしょう。
実際に金属探知機を用いて探知を行った具体的な事例としては、ナイフなどの危険物やなくした指輪、硬貨、金属片の混入した製品、地中に埋まった不発弾などがあります。ご紹介できるのはほんの一部になってしまいますが、これだけでもかなり多岐にわたることがご確認いただけるかと思います。
用途別:レンタルできる金属探知機のご紹介
金属探知機は、商品によって搭載されている機能や形状が異なります。用途に適した商品を選ぶことで、目的に合った使い方が可能です。
ここでご紹介している金属探知機は、レックスですぐにレンタルすることも可能です。
商品選定にもぜひお役立てください。
金属探知機についてのまとめ
この記事では、金属探知機の原理や仕組み、反応しない金属や反応するものはがあるのかどうか?などについてのご説明をしてきました。
改めてトピックをおさらいしてみましょう。
- 金属探知機の原理は?:「電磁誘導方式」または「x線方式」を用いています。
- 金属探知機の仕組みは?:電磁誘導の原理を用いて発信コイルから出た磁気の乱れや電流を受信コイルで感知し、反応します。
- 金属探知機(x線方式)の仕組みは?:X線を照射して金属を含む物体の透過度や吸収度を測定します。
- 反応しない金属はある?:反応に違いはあれど、金属であればなんでも反応します。
- 反応するものや反応しやすい環境は?:検知対象のサイズや距離、周囲に干渉するものがないかなどが重要です。
無料でダウンロードできる資料では、図解なども交えてよりわかりやすくご説明しております。ぜひそちらもご活用ください。

掲載内容
■金属探知機が反応する仕組み
■反応しない金属や反応するもの
■用途別おすすめの金属探知機