重量の単位はgじゃない?質量に換算できる?それらの疑問を解決します!
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重量の単位を聞かれたときに、あなたならなんと答えますか?
またそれらを質量などに換算したいと思ったことはありませんか?
重量の単位は、当然g(グラム)やkg(キログラム)じゃないの?と思う方も多いと思います。
もちろん日常生活で使う範囲の言葉の意味では問題はありませんが、実はそれ、厳密に言うと間違いなんです。
この記事では、そのような意外と知らない基本知識から換算についての疑問まで詳しくお答えしていきます。是非最後までお読みください。
重量の単位はg(グラム)じゃない?
早速、重量の単位についてご説明していきましょう。
重量の単位は、冒頭でもお伝えした通り実はg(グラム)やkg(キログラム)ではありません。誤って認識されていた方も多いのではないかと思います。では重量はそもそも何を意味していて、その正しい単位は何なのでしょうか?
重量の正しい単位について
重量の正しい単位、それは「N(ニュートン)」です。
普段の生活であまり使うことがないため、聞きなれない方もいるかもしれません。そもそも重量は、正確に表現すると「物体にかかる重力の大きさ、重力の加速度により物体が受ける力の大きさ」を意味します。これを表すために、1kgの質量の物体に1m/s2加速度を生じさせる力を1Nと定義し、単位として使っているのです。
かつては、kgf(キログラムエフ)やkg重(キログラムじゅう)なども、同じく重量の単位として用いられていました。
重量の単位N(ニュートン)について
もう少し、重量の単位であるN(ニュートン)について詳しく説明していきましょう。
先ほどご説明した通り、1Nは「1kgの質量の物体に1m/s2加速度を生じさせる力」を意味しています。
式に直すと以下のように表され、質量と重力加速度を掛け合わせたものになります。
- 1N=1kg×m/s2
地球上でも場所によって重力加速度は異なりますが、概ね質量1kgの物体の重量は計算式に当てはめると9.8N程度となります。このNは国際単位系(SI)において力の単位として定義されています。
重量が、「重力加速度によって物体が受ける力の大きさ」であるのに対し、質量は「物体そのものが持つ固有の量」を意味します。
重量が、重力加速度によって変動するのに対し、質量は物体が持っているそのものの量を表すため、不変です。これらの意味の違いから、両者は意味や単位なども異なるのです。
よく用いられる例として、地球上と月面にそれぞれおいて、一人の人間の質量(物体固有の量)は変わりませんが、重量(重力加速度によって物体が受ける力の大きさ)は異なる、と考えるとイメージがしやすいかもしれません。
重量の単位を換算するには?
では、重量の単位を質量や他の単位ものに換算することはできるのでしょうか?
先ほど、質量1kgの物体の重量は地球上では約9.8Nだとお伝えしました。しかしながらこれも正確ではありません。そもそも2つの言葉が意味するものが異なるためです。
先ほどの例でいうと、月の重力は地球の約6分の1ですので、地球上で600Nの物体の重量は、月面では約100Nとなってしまうのです。一方質量は、どこであっても変わることはありません。そのため、重量と質量の間の単位換算は基本的に行うことができません。
では、重量間はどうでしょうか?
現在は非標準となっていますが、Nを重力単位系のkgfへ変換することができ、以下のような換算式が成り立ちます。
- 1N≒0.102kgf
- 1kgf≒9.8N
※あくまで近似値となります。
kgfやkg重は重力単位系や工学単位系と呼ばれるもので、1993年の新計量法の施行以降は非標準となっています。しかしながらしばしば使用されるため、覚えておくと便利かもしれません。
重量の単位と換算についてのまとめ
ここまで、勘違いされることの多い重量の単位やその換算についてご説明してきました。この記事を通じて、重量について理解を深めていただけたならうれしく思います。最後までご覧いただきありがとうございました。
重量と混同しやすい、質量について解説した記事もございますので合わせてお読みください。