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応力とは?ひずみとは?関係式・単位・測定器について解説

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応力とは何なのか?ひずみとは何なのか?というのは、強度の評価を行う場面等では基本的な知識ですが、慣れていないと少しややこしい概念ですよね。
この記事では、それぞれについて基礎的な内容から関係式や単位について解説していき、よく用いられる測定器もご紹介しますので、ぜひお役立てください。

応力とは?ひずみとは?

まずは、応力とは?ひずみとは?という基本の部分から解説していきます。
「物体に力が加わると応力が生まれ、ひずみが生じる」というのが、ざっくりとした前提になります。

応力とは?

応力とは、「単位面積あたりの物体の内部で発生している力」のことです。
物体に外力(物体の外からはたらく力)を加えると、物体の内部ではそれにつり合う内力が生じます。
分かりやすい例を挙げると、細長い物体を引っ張ったとき、その引っ張る力と等しい大きさの「元の形に戻ろうとする力」が働きます。
この内力を、物体の断面の面積で割ったものが応力と呼ばれ、一般的にはσ(読み方:シグマ)で表されます。

「力」とは付いていますが、応力は機械的性質を表す物理量の一つで、働く荷重の方向によって引張応力や圧縮応力、曲げ応力(曲げモーメントによって生まれるもの)、せん断応力(内部のある面を滑らせるように働くもの)といった分類があります。

ひずみとは?

ひずみとは、物体が変形したときの「変形前の長さに対しての変形量の比率」です。
ひずみはどれだけ物体が変形したのかを表すもので、応力と違って絶対量ではありません。
一般的にはε(読み方:イプシロン)という記号が使われます。
こちらも力の向きによって引張ひずみや圧縮ひずみ、せん断ひずみといった種類があります。

縦と横のひずみの比を表す「ポアソン比」

先ほどの細長い物体の例で考えると、引っ張って変形した際、長さだけが伸びるということはなく、それとともに細くなるのがイメージできると思います。
この引っ張った向きの変形比率のことを「縦ひずみ」、その垂直方向の変形比率のことを「横ひずみ」といいます。
そしてこの二つの比のことを「ポアソン比」といい、ν(読み方:ニュー)で表されます。

物質によってそれぞれ一意の値を持っており、ポアソン比が大きいほど、伸びやすい素材と言うことができます。

「動ひずみ」と「静ひずみ」

ひずみは時間経過によって変化するかどうかで、二つに分けられます。
周期的に変形が移り変わったり、変形の大きさが変わり続けたりするなど、時間的に変化するひずみを「動ひずみ」といいます。反対に、ほとんど変化しないもしくは長い時間をかけて変化する場合は「静ひずみ」と呼ばれます。

応力とひずみの関係式・計算の公式は?

応力とひずみについて分かったところで、ここからはこの二つの関係についてご説明していきます。
応力の説明でも出てきた細長い物体の例で言うと、軽く力を加えた程度であれば元の形状に戻ることができますが、ある一定以上の大きい力を加えると変形したまま元に戻ることがなくなります。

元の形状に戻ることができるひずみの量の範囲のことを弾性域といい、それを超えた範囲を塑性域といいます。
弾性域では応力とひずみは比例関係※にあり、一般的に応力を計算で出そうとする際にはひずみを測ります。
※ただし比例しない物質も存在します。

フックの法則・ヤング率(縦弾性係数)について

応力とひずみが比例関係にあるという法則が、「フックの法則」です。
また、フックの法則が成り立つ範囲である弾性域において、応力とひずみの比例定数(E)をヤング率もしくは縦弾性係数といいます。
これらの関係の公式は、σ=E・εとなります。

応力とひずみの関係を表す「応力-ひずみ曲線(線図)」

物体に力を加えていった時の応力とひずみの関係を示すグラフは「応力-ひずみ曲線(線図)」と呼ばれます。
このグラフが直線の関係になる範囲が比例限度で、この範囲ではフックの法則が成立しています。

ひずみが増していき、元に戻らなくなる限度の点が降伏点で、その先の範囲が塑性域になります。
さらにひずみが大きくなっていくと応力は低下していきますが、ひずみの量が下降伏点を超えると応力が最も大きくなり、それを超えると物体は破断します。

応力とひずみの単位は?

ここからは、応力とひずみの単位について解説していきます。
応力とひずみはどちらかが分かればもう一方を換算で導出することができます。

応力の単位

応力の単位は、N/m2(読み方:ニュートン毎平方メートル)、kgf/mm2(読み方:重量キログラム毎平方ミリメートル)またはPa(読み方:パスカル)です。
面積あたりの力の大きさなので、力を断面積で割ったものになります。
1Paは、1㎡に1Nの力が作用する応力という定義です。

ひずみの単位

ひずみの単位は、ありません。これは、ひずみが絶対量ではなく比率を表すものであるためです。
単位なしの数字だけでは分かりにくいため、一般的にひずみにはST(ひずみ=strainを省略したもの)やεがつけられます。

応力・ひずみの測定に使われる測定器

ここからは、応力・ひずみの測定に用いられる測定器をご紹介します。
応力を調べる場合、ひずみ量を測定し、ヤング率やポアソン比を使用して変換します。

下記でご紹介する測定器は全て、ひずみゲージなどと併用する機器ですが、ひずみゲージは用途によってさまざまなものがあるため、選定の際はご相談いただくと安心です。
また、動ひずみと静ひずみでは使用する測定器が異なりますので、ご注意いただければと思います。

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弊社では、ひずみ測定器はもちろん、材料評価や設計の場面で活躍する計測器・測定器を幅広く取り扱っています。
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応力とは?ひずみとは?関係式・単位・測定器について解説 まとめ

ここまで、応力とは?ひずみとは?という根本的なところから、二つの関係式や単位を解説し、測定器もご紹介しました。
どちらも材料の強度評価には欠かせないキーワードですが、改めておさらいとしてこの記事がお役に立てていましたら幸いです。