水位計の種類や仕組みは?フロート式・圧力式・投げ込み式・超音波式などを紹介
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河川や海岸付近をはじめ水・液体が関わる幅広い場面で使用される水位計ですが、さまざまな種類がありそれぞれ異なった仕組みで水位を計測しています。
このページでは、さまざまな形式の概要をご紹介し、フロート式・圧力式・投げ込み式・水晶式・超音波式といったものについて詳しくご説明します。当社でレンタルしていただける製品もご紹介していますので、ぜひお役立てください。
水位計は、基準となる位置に対する水面の位置の高さ(=水位)を測る計測器です。
川や海といった自然環境における水位や、ダム・貯水池・灌漑用水といった人工的な水位の観測用途で広く使われています。こういったいろいろな場所において水位を監視することで、洪水対策や水資源管理といった目的に活用されています。
測定方式で大きく種類を分ける場合、接触式と非接触式に分類されますが、それぞれ仕組み・原理によってさらに細かく分けられます。
水位計の主な種類を比較
ここでは、水位計の主な種類について、原理や適している使用シーンを簡単にご紹介します。この後ご紹介する水位計に加えて、静電容量式や差圧式、電波式といった種類についても比較しています。
水位計の種類ごとに仕組みをご紹介
水位計にはさまざまな種類があり、それぞれに異なる仕組みが存在します。ここからは、各水位計の種類と仕組みを少し詳しく解説していきます。
それぞれの水位計がどのように動作するのかを理解することで、最適な選択にお役立ていただければと思います。それぞれ具体的な水位計の例もご紹介しますので、あわせてご覧ください。
水位計の仕組み【フロート式】
最初にご紹介する水位計の仕組みは、フロート式水位計です。対象の水面に浮かべたフロート(浮子)の上下動で水位を計測します。この仕組みは、フロートの位置が変動することで直接的に水位の変化を認識するため、比較的精度が高く信頼性があります。
例えば、貯水池やダムに設置されるフロート式水位計では、水位が上昇/下降するたびにフロートが動き、その位置を電気信号に変換してリアルタイムで監視システムに送るという仕組みです。
フロート式水位計は、大規模な水量管理が必要な場所でよく用いられているほか、測定原理として電気特性を利用しないことから下水関連や工業廃水といった汚れた水に対しても使用することができます。
フロートの動きを利用するため技術的なメンテナンスも比較的簡単であり、維持管理が容易で長期観測にも向いています。
水位計の仕組み【圧力式・投げ込み式】
次にご紹介する水位計の仕組みは、圧力式・投げ込み式です。二つ並べていますが、前者は水位計の測定の仕組みについての分類で、その中には投げ込みタイプのものが多くなっています。メーカーによっては投げ込み圧力式レベル計といった商品名がつけられているものもあるようです。
圧力式・投げ込み式水位計の仕組みとしては、水圧の変化を利用して水位を測ります。水圧は水位の高さと関連しているため、水深に応じて変化する圧力をセンサーで検知し、そこから水位が算出されます。
水位の変化の計測やモニタリング等に使用されることが多いタイプで、精度が非常に高いうえに、小さなセンサーを水中に投げ込むため場所を選ばず測定開始できるという点がメリットです。
ただし、流失のリスクがあることや汚れや衝撃によって影響を受けやすいなど、メンテナンスが煩雑になってしまうといった面も圧力式・投げ込み式の水位計にはあります。
水位計の仕組み【水晶式】
水晶式水位計の仕組みは、圧力の大きさによって周波数が変動する水晶振動子を用いて水位を求めるというものです。センサー内部の二つの水晶振動子のうち片方に水圧、もう片方に大気圧を印加し、それにより生じた電圧の変化を計測することで水位を非常に高精度で測ることができるのが水晶式の水位計です。
水晶を測定の仕組みとしていることから安価で高精度な水位測定ができるうえにメンテナンスも簡単なため、広範囲にわたる用途に適しています。
水位計の仕組み【超音波式】
水位計の仕組みの中でも非接触型で測定対象の性質に影響されにくいのが超音波式です。この形式の水位計は超音波の反射を利用して水面までの距離を測定するため、故障のリスクやメンテナンスの手間が減り、過酷な環境下でも安定した測定が可能となります。
設置や維持が簡単ということに加えて非接触型という仕組みの特性上、汚れや腐食による影響を受けにくく長期間の使用においても高い測定精度を保つことができるため、超音波式水位計は河川や貯水池、各種タンクにおける水位管理など正確な測定が求められる現場で多く使用されています。
水位計の仕組み【ロープ式】
最後にご紹介する水位計の仕組みは、ロープ式です。比較的測定対象の水質を選ばず耐久性のあるタイプの水位計で、シンプルな機械構造の仕組みを持つため故障が少なくメンテナンスが容易です。
ロープ式の水位計は、長いロープの先にセンサーがついており、水面に向かってロープを下ろしていってセンサーが水面に到達した際に音が鳴ることなどによって水位を知ることができるという仕組みになっています。長期観測というよりは、その都度水位を測る必要がある場合に適しています。
水位計の種類や仕組みは?フロート式・圧力式・投げ込み式・超音波式 まとめ
ここまで、水位計の種類とそれぞれの仕組みについて、ご説明してきました。用途によって使用した方がよい形式が変わり、適切なものを選ぶことで正確な測定と管理が可能になります。例えば、フロート式は単純な機構で手軽に使用できたり、圧力式・投げ込み式は小型なため狭い場所でも計測できたり、超音波式は高精度かつ非接触での測定が可能だったりと、用途や環境によって最適な選択が異なってきます。
この記事でご紹介した商品以外にも、当社では水位計やその周辺のさまざまな種類の計測器を取り扱っておりますので、短期間だけ利用したいなどといった場合はぜひレンタルをご検討ください。