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濁度とは?計測の原理や単位、基準についても詳しく解説!

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この記事では、濁度とは?という基本的なところから計測の原理、使用される単位と基準について解説しています。記事の最後にはおすすめの濁度計もご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください!

濁度とは?計測の原理と単位について詳しく解説!

まずは、濁度とはいったい何なのかを詳しくご説明します。その後、計測の原理について測定方式の紹介を交えながら解説し、単位についてもご紹介していきます。

濁度とは?

濁度とは、微生物や土砂、溶質が原因で起こる水の濁り度合いを表す指標です。
水質管理において濁度を調査することは、水の清らかさや使用したい用途に適しているかを判断するために
重要な役割を果たします。

濁度と混同されやすいSS(浮遊物質量)について

濁度と似たような使い方をされる、SS(浮遊物質量)についても簡単にご説明します。
SS(浮遊物質量)は水中の不純物の量のことを指し、水に溶けず分散・浮遊している物質の量を表します。

一方で濁度は、水中に溶けているものも測定の対象になり、使用される単位も異なります。
この二つには相関性がないため、計測結果の換算もできません。

SS(浮遊物質量)について詳しく解説した記事も、是非あわせてお読みください。

濁度計の原理について詳しく解説!

では次に、濁度計の原理について各測定方式の解説を行っていきます。

透過散乱光方式

測定対象に対して光を入射すると、光は透過光と散乱光に分かれます。透過光は濁度が上がるに従い一定の減少傾向が現れ、散乱光は反対に増加傾向が現れます。
透過光・散乱光どちらも測定し、両方の比率と測定対象の懸濁物質濃度との比例関係を用いて測定する方式です。

表面散乱光方式

測定対象の液面に光を入射し、液面から発される散乱光を測定します。散乱光の強さが、測定対象の液中の懸濁物質濃度と比例関係になることを用いて測定する方式です。
表面の散乱光を測定するので、測定液の色による影響も実用上の支障にならないレベルに抑えることができます。

積分球方式

光源からの平行光線を測定対象の液に入射すると、入射した光は平行のままの光線と懸濁物質の影響を受けた散乱光線に分かれ積分球に入ります。その両方の光線を積分球内の光電池でそれぞれ測定し、透過散乱光方式と同様に、両方の比率と測定対象の懸濁物質濃度との比例関係を用いて測定する方式です。
測定液の色の影響を受けにくいというメリットがありますが、計測に使用する機器のメンテナンスなどの観点から試験室での測定に適した方式です。

透過光方式

測定対象の片側から光を入射して反対側から透過光を測定し、光の減衰の程度が懸濁物質などの影響を受けることを利用して濁度を測定する方式です。懸濁物質の粒径が一定で、水の色が乳白色だと正しく測定できますが、河川や湖沼での測定では場所によって懸濁物質の粒径や水の色がさまざまであるため、測定結果が変動しやすいことが特徴です。
そのため、環境測定用としてはあまり活用されていません。

散乱光方式

測定対象の液中に光を入射し、液中での散乱光のみを測定します。表面散乱光方式と同様に、散乱光の強さが測定対象の液中の懸濁物質濃度と比例関係になることを用いて測定する方式です。
表面散乱光方式では表面部分での散乱光を測定しましたが、散乱光方式では液内部の散乱光を測定している点が違いと言えます。
散乱光方式も水の色による影響は受けにくい方式ですが、浮遊物質が光を吸収する色であったり濃度が高い場合は、正確な測定が難しいこともあります。

濁度を表す単位って?

濁度を表す単位は基本的には「度」「mg/L」「FTU」「NTU」などがありますが、実は校正の際に用いる標準液によって数値や濁度を表す単位が変わります。
ここからは代表的な標準液である「カオリン標準液」と「ホルマジン標準液」に分けて、濁度を表す単位について解説していきます。

カオリン標準液を用いた場合

カオリン標準液を用いた測定では、「精製水1L中に1mgのカオリン(別名/はくとう土)を入れた時の濁度に相当するものを1度」とします。カオリン標準液を用いた場合、単位は「度(カオリン)」または「mg/L」となります。
カオリンは自然の水の濁りを模倣しやすいですが、白色の度合いや成分が産地により異なり、粒度も不均一なので測定結果が一定になりにくいという特徴があります。また、沈殿しやすいため時間とともに濁度が変化しやすいことにも注意しましょう。

ホルマジン標準液を用いた場合

ホルマジン標準液は、硫酸ヒドラジンとヘキサメチレンテトラミンの反応で生成されるもので、単位は「度(ホルマジン)」または「FTU」や「NTU」で表されます。
再現性と安定性に優れているため、濁度測定において長年使用されていきました。ただ、ホルマジン標準液は有毒であるため、取り扱いには特別な注意が必要です。

濁度の基準は?

濁度の基準のひとつとして、水道法第4条に基づく水質基準をご紹介します。
こちらは水道水が満たす必要のある項目であり、濁度は「水質基準項目」と「水質管理目標設定項目」に
該当しています。

水質基準項目 基準値
濁度 2度以下
水質管理目標項目 目標値
濁度 1度以下

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ポータブル濁度計 TB-31

湖沼や河川をはじめとした環境水や工場・工事に伴う排水等の濁度の計測に最適な濁度計です。 単3アルカリ乾電池2本で、約120時間の連続測定もできます。

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9波長を使用した多波長励起で、従来では測定できなかった植物プランクトンの現存量と種組成を同時に測定することができます。その他に濁度、水温、深度も計測できます。

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濁度とは?計測の原理と単位についても詳しく解説!まとめ

ここまで、濁度とは?といった基本的なところから、計測時の測定方式や単位、基準について詳しく解説してきました。濁度に対する知識を少しでも深めていただけましたら幸いです。
また、弊社で取り扱っている機器についてもご紹介させていただきました。
「購入するほど、使用頻度が多くない」「追加で機器がもう1つ必要になった」等の場合にはレンタルが最適です。ぜひ一度ご検討くださいませ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。