コンクリートの品質について
コンクリートの種類
コンクリートの種類は使用骨材による種類、使用材料・施工条件・要求性能などによって区分されます。
レディーミクストコンクリート(生コン)の種類
レディーミクストコンクリートの種類は、普通コンクリート、軽量コンクリート、舗装コンクリートおよび高強度コンクリートに区分し、粗骨材の最大寸法、スランプまたはスランプフローおよび呼び強度を組み合わせた下表に示す○印とする。
JIS A 5308【レディーミクストコンクリート】抜粋
コンクリートの品質
コンクリートの品質を考える際、「使用するコンクリート」と「構造体コンクリート」に分けて考える必要があります。
使用するコンクリート
荷卸時に、特記に示された材料、調合上の規定を満足し、所要のワカービリティ、強度、耐久性を有するものでなければならない。
構造体コンクリート
構造物および部材が要求された性能を満足するように、所要の強度、ヤング係数、気乾単位容積質量、耐久性および耐火性を有し、有害な打ち込み欠陥部のないものでなければならない。
設計基準強度
コンクリートの設計基準強度の範囲(JASS5)
コンクリートの種類 | 設定基準強度の範囲(N/mm2) |
---|---|
普通コンクリート | 18、21、24、27、30、33、36 |
軽量コンクリート | 軽量1種:最大36 軽量2種:最大27 |
計画供用期間
ASS5では、計画供用期間の級を3段階に分け、一般、標準、長期の3水準を設定しています。
計画供用期間の級と耐久設計基準強度(JASS5)
計画供用期間の級 | 大規模補修不要予定期間 | 供用限界期間 | 耐久設定基準強度 |
---|---|---|---|
一般 | およそ30年 | およそ65年 | 18N/mm2 |
標準 | およそ65年 | およそ100年 | 24N/mm2 |
長期 | およそ100年 | - | 30N/mm2 |
配合強度の定め方(コンクリート標準示方書)
レディーミクストコンクリート(生コン)では3本1組の供試体の試験の平均値を1回の試験結果として下記としています。
1回の試験結果は、購入者が指定した呼び強度の85%以上でなければならない。
3回の試験結果の平均値は、購入者が指定した呼び強度の値以上でなければならない。
耐久性を確保するための材料・調合に関する規定
単位水量 JASSは下記の規定を設けています。
単位水量は185kg/m3以下とする。
単位セメント量の最小値は270kg/m3。
ポルトランドセメンドの水セメント比の最大値は65%。
AE剤、AE減水剤、高性能AE減水剤を用いるコンクリートの空気量は、4%以上5%以下の値とし、特記による。
コンクリートに含まれる塩化物量は、塩化物イオン量として0.30kg/m3以下とする。
コンクリートは、アルカリ骨材反応を生じるおそれのないものとする。
単位水量(土木学会「コンクリート標準示方書」抜粋)
高性能AE減水剤を用いたコンクリートの単位水量は、原則として175kg/m3以下とする。
コンクリートの単位水量の限度の推奨値
粗骨材の最大寸法(mm) | 単位水量の上限(kg/m3) |
---|---|
20~25 | 175 |
40 | 165 |
空気量及び許容差(JIS A 5308「レディーミクストコンクリート」抜粋)
コンクリートの種類 | 空気量(単位%) | 空気量の許容差 単位(%) |
---|---|---|
普通コンクリート | 4.5 | ±1.5 |
軽量コンクリート | 5.0 | ±1.5 |
舗装コンクリート | 4.5 | ±1.5 |
高強度コンクリート | 4.5 | ±1.5 |
空気量(土木学会「コンクリート標準示方書」抜粋)
コンクリートは原則としてAEコンクリート(現在では通常生コンは全てAEコンクリートである)とし、空気量は粗骨材の最大寸法、その他に応じてコンクリートの容積の4~7%を標準とする。
用語説明
細骨材
10mmふるいを全部通り、5mmふるいを重量で85%以上通過する骨材。砂などです。
粗骨材
5mmふるいに重量で85%以上とどまる骨材。砂利、砕石などがこれに含まれます。
JASS5
建築工事標準仕様書。